第2章−3


目から星が出るってこのことだ。
ちかちか光ってる。

…あ、違うや。
ちかちか光ってるのは、光の精霊たちだった。
スピリチャルレジェンズがあたしの周りを取り囲み、ひそひそ話し合っている。

をここに投入しても運命が変わらなかったら、どうする?』
『そのときは、ウインドラゴンを連れてきて試そうよ。もそう言ってたし。僕らも最初はそうするつもりだったんだし』

『それは…どうだろう。いくら何でも、同じ歴史に何回も干渉しすぎじゃないかな』
『僕も、そう思うな。でやり直してみてダメなら、ウインドラゴンを分岐点に戻したとしても結果はあまり変わらないだろう。干渉と失敗を繰り返すことで、却って世界の慣性をより強靭なものにしてしまう可能性もある』
『あー。それは避けたいねー』

『分かっているよ…何度も戻れる道ではない』
ボス精霊が悲しげに目を伏せた。
『これでダメだったら、仕方ない。その時はまた、次のレジェンズウォーを待つさ』


ちょっと、待って。
あたしはぎくりとする。

――「次」のレジェンズウォーを待つ?
それって、「今回の文明は滅びちゃうけど諦める」ってことですか?

そんなこと、勝手に決められても。
っていうかどんだけスケールの大きな話をしてるんだ。
色んなことを突っ込みたいのに、気絶しているあたしはどうにも声が出ないのだ。

『次、かー。もしこれがダメだったら、また何千年も待つことになるんだね…』
『せっかくいいセン行ってたのに、勿体無いねえ』
『まあ、まだ今回がダメになるって決まったわけじゃないしさあ…』

光は遠ざかっていく。ぐだぐだと身内で話し合いながら。


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